2020年6月期 第3四半期 決算発表
こんにちは。IR室です。
5月8日に第3四半期の決算を発表するとともに、業績予想の再修正を行いました。
2月7日にも一度修正をしておりますが、前回は新型コロナウイルスの影響を時期的に加味することが困難であったため、今回はそれを含めて再修正いたしました。
前回の修正から引き続き、株主の皆様にはご心配をお掛けし、大変申し訳なく思っています。
まずは第3四半期の業績について、その後に新型コロナウイルスによる業績への影響と当社の対応について、詳細にご説明させていただきます。
決算資料はこちらよりご覧いただけます。
■第3四半期決算概要
第3四半期決算の業績概要がこちらになります。
売上は、地政学的な影響などによるGlobal事業の不振や、新型コロナウイルスの影響などにより計画比でビハインドとなりましたが、1月10日にオープンした原宿の大型旗艦店「@cosme TOKYO」(以下、「原宿店」)の寄与により前年度と同水準での着地となりました。
営業利益は全社的な経費削減等により、ほぼ計画内で収まっております。
ここからはセグメントごとに見ていきたいと思います。
On Platform事業は、前述の原宿店における店頭広告の追加や、次の収益の柱と位置付けるサービス「ブランドオフィシャル」(以下、「BO」)の契約増加などにより、堅調な推移となりました。3月頃から新型コロナウイルスの影響により店頭広告のキャンセルが発生しましたが、オンライン広告へのシフトなどにより3月末までの業績に対する影響は軽微となりました。
こちらがBOの導入数の推移です。
3Qまでは計画通りの推移となっていますが、新型コロナウイルスの影響により今期末の目標数値を修正しています。(詳細は後述)
次にBeauty Service事業です。
ECは新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛の影響や、12月に行ったECスペシャルイベントで獲得した新規ユーザーの寄与もあり、大きく増収となりました。
店舗については、新型コロナウイルスの影響により既存店におけるインバウンド需要や来店客数が減少したものの、原宿店の寄与で増収となりました。店舗における感染防止対策としては、2月からタッチアップの自粛やスタッフのマスク着用、3月末には東京都からの要請を受け一部店舗では週末休業などを実施いたしました。また、出店先である商業施設が例年3月に行っているセールが自粛により実施されなかったことも影響しています。
Global事業は引き続き厳しい状況が続いております。
期初から競争激化により減収していた中国の越境EC・卸売ですが、新型コロナウイルスの影響で1月下旬から2月末まで中国国内の物流が完全にストップし、出荷が出来ず大きく減収となりました。
また、海外店舗も新型コロナウイルスの影響を大きく受けており、香港の6店舗では1月末頃の政府からの在宅勤務要請で外出自粛ムードとなり、2月から時短営業を実施しています。タイの2店舗もインバウンドの減少と、政府の非常事態宣言によって3月下旬から休業しています。そして、台湾の全4店舗を計画通り第3四半期中に閉店したこともあり、大きく減収となりました。
最後がその他事業です。
人材派遣事業は、新型コロナウイルスの影響を受けましたが堅調な推移となりました。第3四半期における影響は軽微であったものの、派遣先店舗の休業など影響が出始めています。
■新型コロナウイルスの影響と業績予想の再修正について
ここからは当社グループに対する新型コロナウイルスによる影響と、それを踏まえた業績予想の再修正について、ご説明させていただきます。
まずは第3四半期である3月末時点の状況と、各セグメントに対する業績のインパクトです。この時点で業績に対して大きく影響を受けていたのは、国内外の店舗と中国の越境EC・卸売になります。
こちらが発生事象を時系列でまとめたものになります。
1月中旬から中国、2月下旬から日本で感染が拡大し、各事業やサービスにおいても同時期から対策を実施してまいりました。
これら新型コロナウイルスの影響を鑑みて、今回業績予想の再修正を決定いたしました。
2月7日に行った前回修正の時点で、中国での新型コロナウイルスの発生を認識していましたが、当社業績への影響やその見通しが困難であったため、その内容を含めずに業績予想を修正しました。
そして、その影響が甚大であることが判明したため再修正を行いましたが、いつまで続くのかが不透明であることから、再修正後の数値は6月末までこの状況が続いた場合を想定した保守的なものとなっています。
こちらが各セグメントの再修正額と、その前提条件です。
特に国内店舗を含むBeauty Service事業が大きく減少しておりますが、これは6月末まで大部分の店舗を休業とした場合の数値になります。
また、ECにおきましてはオンライン需要の増加が見込めるものの、在庫確保や配送における潜在的リスクを無視できないため、上方修正せず据え置いた保守的な数値になっています。
四半期毎の営業利益の推移を見ますと、第2四半期が赤字のピークでそこから徐々にマイナス幅を縮小し、第4四半期で赤字解消となる見通しでした。しかし、新型コロナウイルスの影響により第4四半期だけで16億円のマイナスとなる見込みです。
今回の再修正に合わせて、BOの今期末目標数も修正しました。訪問営業の自粛により通常よりもアプローチが難航しており、またクライアント内部の予算保守化やテレワーク化により決済の長期化が散見されるようになりました。こうした状況を受け、目標数を300ブランドから第3四半期末の契約数である236ブランドに据え置き、現状維持の方針へ変更しました。
そして、こちらが現在の見通しと当社の対策・方針になります。
On Platform事業は、店頭広告のキャンセルなどオフラインでの減少分をオンラインへのシフトで補填する方針になります。また、訪問営業を自粛中であるため、オンライン営業によりクライアントとの関係構築を引き続き強化していきたいと考えています。
Beauty Service事業の国内店舗については、感染拡大防止により休業しているため、政府支援などを活用し収益性の改善に努めてまいります。また、ECにおいてはオンライン需要の増加が見込めるため、ECへの送客や品揃えの強化によるアップセルを狙っていきたいと思います。
期初より不振が続いているGlobal事業は、今回の新型コロナウイルスの影響も踏まえ、引き続き経費削減等による収益性の向上を図っていきます。
その他事業の人材派遣事業においても、政府支援を最大限に活用してまいります。
■最後に
今回の業績予想の再修正により株主様をはじめ、ご心配になられる方も多くいらっしゃるかと思います。今現在の財務状況に特段の問題はないと考えていますが、状況等を注視しながら柔軟に対応していきたいと思います。
非常に厳しい状況ではありますが、グループ一丸となって新型コロナウイルスの感染拡大防止に努め、お客様や従業員の安全を第一とし、業績への影響を最小限に留めるよう尽力しておりますので、引き続きご理解・ご支援をいただけますと幸いです。