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アイスタイルを紐解く5つのキーワード

Keyword02ネットとリアルを融合させる。

オンラインサービスから出発したアイスタイルですが、現在は、年間売上高の3分の1以上を実店舗である「@cosme STORE」の売上が占めています。ここでは、私たちがネットとリアルを融合したビジネスを展開した経緯と、化粧品市場に起こった変化についてご紹介します。

図:ONLINE→OFFLINEイメージ

1@cosme立ち上げ前の仮説

アイスタイルを創業した代表取締役社長兼CEOの吉松は、「ユーザーの声が集まり、可視化され、共有されれば、多くの広告宣伝費を投じた商品ではなく、良い商品、消費者の支持を受ける商品が売れるようになり、その結果、生活者を主体とした市場ができる」と考えていました。そして、その仮説をもとに「@cosme」をスタートさせます。

2人気と売上は連動しない!?

@cosmeの立ち上げから5年。ユーザー規模が拡大し、クチコミ数も増え、@cosmeは化粧品クチコミサイトNo.1として、知名度と影響力を持つようになりました。しかし、ある化粧品ブランドから「@cosmeで人気になっても売上に影響しない」という指摘を受けます。
それはなぜか? なぜ仮説通りにならなかったのか? わかったことは、多くの化粧品ブランドにとっての売上とは「小売店が自社商品を仕入れてくれること」だということ。加えて、一般的な小売店のMDとは、メーカーが紹介する商品から「掛け率」「販促費」といった商品評価とは別のポイントを重視して行うものだということでした。
このような業界独自の構造によって、小売店の品ぞろえは大手ブランドが中心になり、@cosmeでの生活者の評価と売上実績が連動しない状況が生まれていたのです。

図 図

3リアル店舗の誕生と成長

@cosmeで人気の商品が売れるようにする。つまり、生活者の声を反映した市場にするためには、「小売店の仕入れの構造の変革が重要」だと考えた私たちは、2007年に コスメセレクトショップ「@cosme STORE」1号店をオープンしました。お店に並ぶのは、@cosmeのデータをもとにした生活者に支持されている商品たち。売り場は、ウェブサービスの考え方である「フリークエンシー(=来店頻度)」を重視してつくられています。

こうしてつくられた実店舗は、多くの生活者の支持を受け、日本で最も売上規模が大きく、坪効率の世界一高い化粧品専門「@cosme STOREルミネエスト新宿店」、アジア最大級の化粧品専門店でありアットコスメのフラッグシップショップである「@cosme TOKYO」を擁する、日本最大の化粧品小売チェーンとして成長を遂げています。それはつまり、私たちの仮説がようやく証明されたことを表しているとも言えるのではないでしょうか。

写真:@cosme STORE店内

4化粧品業界への影響

ネットとリアルの融合は、自店舗以外でも進んでいきます。例えば、@cosmeで人気の商品には目印となるシールを添付できるライセンスをブランド向けに販売。現在多くの化粧品ブランドがこのサービスを利用してくださり、@cosmeと消費者との接点はさらに増えました。シールを添付することで以前の数倍にも売上が伸びた商品があるなど「@cosmeで人気の商品(=生活者に支持された商品)はお店でも売れる」という認識が業界内にもひろがっていきました。

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5市場の変化とひろがり

現在では少数の大企業の商品だけでなく、@cosmeでユーザーに支持されている品質の高い中小メーカー商品も小売店の売り場に多く並ぶようになるほか、生活者の多様性に応じる形で多くの企業が生まれ市場が多様化。化粧品業界の市場は少しずつ、しかし確実に「生活者中心の市場」へと向かっています。

  • 大手企業の商品
  • 中小メーカーの商品

過去の市場構成イメージ

グラフ

現在の市場構成イメージ

グラフ